大人になってからのケンカ

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10代までのケンカのうち大半は、仲直りだってスムーズにできる。
多分きっとそれは、ケンカの原因が突発的なものであったり、
本当はそんな風に傷つける気持ちはないのに出てしまった言葉が原因だから。

大人になってからのケンカは、どうにもこうにも仲直りが難しい。
明確にその人を傷つける目的で発した言葉で起こることが多いから。
「ごめんね」が素直に言えなくなってしまったから。

でも、大人のケンカも子どものケンカも
夜にその相手を想って涙を流し枕を濡らすことや、
明日からどうやって接していこうか頭を悩ますことは、幾つになっても同じなんだろう。

昨日長年付き合った恋人と私はケンカをした、
本当に些細なこと。大人の自分はきっと我慢できた筈のこと。
でも、どうにもこうにも昨日の自分は我慢することができなかったのだ。

ご飯を食べながらずっと動画をみていること。
私が遊びにきているのにずっとPCゲームをしていること。
たまに機嫌を取るように私に触れてくること。

そんなの昨日始まったことではない。
むしろ、付き合い始めた当初から彼はそうだった。
彼が変わったことは良くも悪くもひとつも無かったのに、
いつもと変わらない日常がそこにあっただけなのに、
どうしても後少しこっちを向いて欲しかった。

「私のこと好き?」

たまに胸によぎることはあったけど言わなかった言葉。
その言葉を口に出してしまうことで、義務にしてしまうような気がした言葉。
よく見る恋愛コラムでも重い女のワードとして挙がっているそのフレーズは
無意識に私にブレーキをかけてくれていた。

それにも関わらず、昨日は思わずアクセルを踏んでしまった。

たった一言、
「好きだよ」
そう返ってくるだけで私の心は救われたんだろう。

でも彼は問われ困惑していた。
いつも笑って接していた私が、急に涙を流しながらそんな質問をするのだから。

沈黙に耐え切ることができず、
今日は帰ると一言伝えて私は彼の家を後にした。

彼からは一言
「明日君の仕事が終わる頃に連絡する」 とLINEが来ていた。

本当は後を追って来て欲しかった。
いい大人なのに泣きながらバスに乗り込み自宅に着いた。

寝る前に思い返してみれば、
どうしてあんなことを言ってしまったのだろうと後悔しかない。

私の発したその言葉で
彼が今一度この関係を思い直し
導いた答えが別れだった場合、私はどうしたらいいのだろうと
眠れない夜が更けていくのだった。